はじめに
イオン化エネルギーと電子親和力は、化学で使われる重要な言葉ですが、一体どういう意味なのでしょうか?これらについての、それぞれの特徴や違いについてわかりやすく解説していきます!
どうしても問題だけを解きたい、一夜漬けで時間がない人は、イオン化エネルギーと電子親和力の違いだけ見てみよう!
イオン化エネルギー
原子から電子を1個取り去って、1価の陽イオンにするための必要なエネルギー
イオン化エネルギーを比べよう!
第3周期の原子を比べる(横関係)
【理由】
①周期表の右に行くほど陽イオンになりにくい!(価電子が1〜3のものは陽イオン、価電子が5〜7のものは陰イオン)
②陽イオンになりにくいということは、電子が離れにくいということ!(電子を取るのに大きいエネルギーが必要)
③周期表の右に行くほどイオン化エネルギー大きくなる!
電子殻の影響(縦関係)
【理由】
①原子核(陽子)と電子が近いほうが引力(+ーの引き合う力)によって強く引き合うため、ヘリウムの方が(K殻のためM殻よりも原子核に近い!)電子が離れにくい(電子を取るのに大きいエネルギーが必要)
②周期表の上に行くほどイオン化エネルギーが大きい
イオン化エネルギーまとめ!
①陽イオンになりにくい原子ほど、周期表の右かつ上に位置している
②陽イオンになりにくい原子ほど、イオン化エネルギーが大きい
③イオン化エネルギーが最大の原子はヘリウムHeである。
※①②に関して、陽イオンになりやすい原子は周期表の左下で、イオン化エネルギーが小さい
イオン化エネルギの大小!→周期表
問)どちらがイオン化エネルギーが大きい?
※周期表の右上に近い元素を選ぶ!
(1)Na と Ar → Ar
(2)K と Li → Li
電子親和力
原子が電子を1個受け取って、1価の陰イオンになるときに放出するエネルギー
①電子を受け取ると、原子はエネルギーを放出する!
②放出すると、エネルギーは少なくなるので、イオンになると低い位置になっている!
③すなわち、赤い矢印が長いフッ素Fの方が、たくさんエネルギーを放出することがわかる!(電子親和力が強い)
電子親和力を比べよう
・第2周期の原子を比べる(横関係)
イオン化エネルギーと同様に、右上(貴ガス18族以外)が電子親和力最大!(違いはこのあと説明)
貴ガスについて
- He、Ne、Arなどは安定な電子配置となっており、これ以上電子が入りにくい状態となっている!
- 1.電子親和力は陰イオンになるときの放出するエネルギーなので、貴ガスは陰イオンにならない!
- 2.より貴ガスの電子親和力は0
【貴ガスが電子親和力0の理由】
電子親和力は陰イオンになるときに放出する力なので、貴ガスはイオンにならない!
電子親和力まとめ!
①陰イオンになりやすい原子ほど、周期表の右に位置している
②陰イオンになりやすい原子ほど、電子親和力が大きい
③※電子親和力が最大なのはハロゲン(17族元素のこと)である
④貴ガスの電子親和力は0である
※フッ素よりも塩素の方が大きい(原子半径が関係しているためハロゲンが最大でOK)
電子親和力の大小!→周期表
問)どちらが電子親和力が大きい?
⑴ Li と Ar → Li(貴ガスは0だから!)
⑵ Na と Cl → Cl(ハロゲンが最大だから!)
イオン化エネルギーと電子親和力の違い
共通点
・周期表の左下が最小、右上が最大!
相違点
・イオン化エネルギーの最大はHe!
・電子親和力の最大はハロゲン!(Cl>F>Br>I)
・電子親和力は貴ガスが0!
最後に
①イオン化エネルギーと電子親和力の問題が解けるようになろう!(以下に教材の宣伝と広告を貼っておきます!)
②その後に、それぞれ周期表の右上にいくほどに大きくなる理由をしっかりと抑えよう!
③イオン化エネルギーや電子親和力について、少しでも理解を深めることができたら幸いです。これらの概念は化学の世界を理解する上で非常に重要です。新しい発見や応用の展開にも、これらの理論が大いに役立ちます。未来の研究や技術の発展に向けて、私たちの好奇心をかきたて、学び続けることが大切です。それでは、化学の世界への探求を楽しんでください!
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