はじめに
化学の世界には、不思議な力が働き、物質同士が結びついて様々な化合物や結晶を生み出します。その中でも、イオン結合は特に興味深いものの一つです。私たちの身の回りに様々な化合物や結晶を生み出しています(塩、チョークなど)。この記事では、イオン結合とその結晶構造であるイオン結晶について、文系の方にもわかるようにカンタンに説明していきます!
イオン結合
陽イオンと陰イオンは静電気的な力(クーロン力)によって引き合ってできる結合のこと
- Naは価電子が1なので、電子を1つ放出しNa+になる
- Clは価電子が7なので、電子を1つ受け取りClーになる
- 塩化ナトリウムNaClはNa+:Clー=1:1で結合している
- +とーの引力(静電気力またはクーロン力)により結合している!
- ※イオンについて復習したい方は→ここをクリック!
イオン結晶
- イオン結合でできた結晶
- 陽イオンと陰イオンがある一定の割合で電気的に中性(電荷が±0)になるようにイオン結合をつくる
- 電荷が±0になるように陽イオンと陰イオン組み合わせる!
- K+の電荷は+1、Clーの電荷はー1より、K+:Clー=1:1より、KClとなる!
- Ca2+の電荷は+2、Clーの電荷はー1より、Clーがもう一つあると電荷が±0になる!
- Ca2+:Clー=1:2となり、CaCl2となる!
イオン結晶の性質
①イオン間の結合が強く、融点が高い
【理由】
静電気力(クーロン力)が働くため、結合力が強い
②硬くてもろい
【理由】
外力が加わると、同符号同士になるため、斥力(+ーの反発の力)が働くため、結合が崩れる。これをへき開という。そのため、外部の衝撃にとても弱い。(チョークなどはこの原理)
③融解(溶けること)してできた、液体や水溶液は電気を通す
【理由】
水中に融解し、イオンに分かれることを電離という。電離をすると、電気を通すようになる。このような性質を電解質という
組成式
分子以外の物質の場合、その物質の成分(各イオンや構成粒子)を簡単な比で表した式
例)NaCl、CaCl2など
組成式の作り方
①陽イオン、陰イオンの価数の決定
・アンモニウムイオンの電荷は1+なので、価数は+1
・硫酸イオンの電荷は2−なので、価数は−2
②電荷が±0になるように陽イオン、陰イオンの個数を決定
- ①よりアンモニウムイオンの価数は、+1
- ①より硫酸イオンの価数はー2
- ±0にするためには、アンモニウムイオンが2つ(電荷+2)、硫酸イオンが1つ(電荷ー2)になる!
③『陽イオンの元素記号』[個数]『陰イオンの元素記号』[個数]の形で組成式を決定!
- アンモニウムイオンが2つなので、NH42と書かないこと!
- Nが1個のHが42個あることになってしまう(笑)
- (NH4)2のように()をつけること
- 硫酸イオンは1個なので、SO4!
問題にチャレンジ!
問題1次のイオン結晶の形と名称を考えよ!
(1)Al3+とOHー (2)Ca2+とNO3ー (3)Al3+とSO42ー
問題2次の組成式を答えよ!
(1)硫化カリウム (2)硝酸アルミニウム (3)炭酸アンモニウム
答え!
問題1
(1)Al(OH)3 (2)Ca(NO3)2 (3)Al2(SO4)3
【解説】
黄色の線は、元素の数です。
(1)Al=(+3), OH=(−1)より、(+3)×1+(−1)×3 = ±0
(2)Ca=(+2), NO3 =(−1)より、(+2)×1+(−1)×2 = ±0
(3)Al=(+3), SO4=(−2)より、(+3)×2+ (−2) ×3 = ±0
問題2
(1)N2S (2)Al(NO3)3 (3)(NH4)2CO3
【解説】
(1)Na=(+1),S=(−2)より、(+1)×2+(−2)×1= ±0
(2)Al=(+3), NO3 =(−1)より、(+3)×1+(−1)×3= ±0
(3)NH4=(+1),CO3=(−2)より、(+1)×2+(−2)×1= ±0
最後に
以上でイオン結合イオン結晶について10分で理解できたでしょうか!?最後までこの記事を読んでくれた方はとても勉強熱心だと感じます!自分を褒めてください!ひとまずお疲れ様です!これから、たくさん組成式や化学式を書かないといけません。今のうちに、暗記ではなくしっかりと理解しなぜ成り立つのかを友達とかに説明できるようになりましょう!
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