はじめに
こんにちは、化学の世界へようこそ!今日は、私たちの生活に大きな影響を与えている「燃料電池」について、文系の方にもわかりやすく解説します。燃料電池は、クリーンエネルギーの一つとして注目されており、環境にやさしい未来を支える技術です。それでは、燃料電池がどのように働くのか、そしてなぜ重要なのかを見ていきましょう!受験にも使える内容になっているので、しっかりと理解して問題も解けるようにしましょう!
電池についてたくさん解説しましたので合わせてご覧ください!
燃料電池とは?
燃料電池は、水素と酸素を化学反応させて電気を作り出す装置です。このプロセスでは、燃料と酸素が直接反応するのではなく、電極と呼ばれる特殊な材料を使って反応を制御します。結果として、効率的に電気エネルギーを生成し、排出物としては水しか出しません。
燃料電池は水の電気分解の逆反応!?
・中学生の時に学んだ、水に電気を通すと水素と酸素に分かれる反応が電気分解!
2H2O → 2H2 + O2(水の電気分解)
では、逆に水素と酸素を反応させれば水と電気が得られる!(燃料電池)
2H2 + O2 → 2H2O(燃料電池)
基本的な仕組み
燃料電池の基本的な構造は以下のようになります:
- 負極:ここでは水素が供給されます
- 正極:ここでは酸素が供給されます
- 電解質:負極と正極を分けるもので、酸性型の燃料電池ではH3PO4の水溶液,塩基型の燃料電池では、KOHの水溶液が用いられる!
酸性型,塩基性型?
・燃料電池には、酸性型と塩基性型のものがあり電解質の水溶液が異なる!化学反応もそれぞれ異なる!
・受験にはどちらも聞かれる場合があるので覚えておこう!
※自動車に使われる燃料電池は、KOH水溶液を含んだ塩基型の燃料電池が用いられている!
酸性型の燃料電池のイラスト!
- 負極,正極の極板にはそれぞれ、白金の多孔質の極板が使われる!
※多孔質とは、原子などが通れる穴がたくさん空いているということ - 負極の極板の方には水素が、正極の極板の方には酸素がある!
※水素が電子を出し水素イオンとなるため、負極である! - 水素は左から流し込むと、H2からH+と電子e –を2つずつ放出する!
H+は溶液側に流れ込み、電子は正極側に流れこむ
なぜこのような反応が起こるかというと
→極板は多孔質のため、H2の形では通ることができないため、電子を放出しH+の形になれば、小さな穴を通ることができるから! - 正極に流れ込んだ電子は、酸素O2と結びつきO2−となる!
- ④でできたO2−と、水溶液中にいるH+2つと正極の側で反応することで、水になる!
なぜ、H3PO4の水溶液を使うの?
→酸性型の燃料電池では負極で水素イオンが発生し、酸素と反応することで水になることができるため、水素イオンが水溶液にたくさんある方がたくさん反応することができるから!
※塩基型の構造は今度更新しますので、今回は酸性型の紹介のみとなります。
化学反応式を書いてみよう!
負極:
正極:
全体の反応式→電子の数を揃えるために、負極を2倍にして正極と足し合わせる!
燃料電池の利点
燃料電池は、いくつかの重要な利点を持っています:
- クリーンエネルギー:燃料電池の排出物は基本的に水だけであり、温室効果ガスや有害な排出物がほとんどありません。
- 高効率:燃料電池は、化学エネルギーを電気に変換する効率が高く、発電効率が高いです。
- 静音運転:燃料電池は静かに動作し、騒音問題が少ないです
燃料電池の課題
一方で、燃料電池にはいくつかの課題もあります:
- コスト:燃料電池の製造には高価な材料が必要で、初期コストが高いです。
- インフラ:水素を供給するためのインフラがまだ十分に整っていないため、普及に時間がかかることがあります。
おわりに
燃料電池は、環境に優しく、高効率なエネルギー源として将来性があります。しかし、コストやインフラの課題を克服するためには、さらなる研究と開発が必要です。私たち一人ひとりが環境に配慮した選択をすることで、持続可能な未来に向けた一歩を踏み出すことができます。
燃料電池の塩基型についても解説しますのでお楽しみください!
これからも、文系の方にもわかるように化学基礎を解説しますのでチェックお願いします!
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