はじめに
化学の世界では、物質が互いに電子をやり取りすることでさまざまな反応が起こります。その中でも特に重要な役割を果たすのが「酸化剤」と「還元剤」です。これらの物質は、多くの化学反応の鍵となり、日常生活や産業界においても広く利用されています。今回は、酸化剤と還元剤の基本概念や具体例を紹介し、その重要性について解説します。
酸化と還元とは(復習)
酸化とは、物質が電子を失う過程を指し、還元とは、物質が電子を得る過程を指します。具体的には、ある物質が電子を失うことで酸化され、他の物質がその電子を得ることで還元されます。このように、酸化と還元は常に対になる反応です!
酸化剤と還元剤の役割
酸化剤と還元剤は、酸化還元反応において互いに補完的な役割を果たします!
酸化剤:相手を酸化する働きのある物質のこと
還元剤:相手を還元する働きのある物質のこと
酸化剤→自身は還元される
還元剤→自身は酸化される
※相手を酸化させるには自身は還元する必要がある!
※相手を還元させるには自身は酸化する必要がある!
イメージ図
まとめ
・酸化剤→自身は還元される→酸化数は減
・還元剤→自身は酸化される→酸化数は増
酸化剤と還元剤の反応
例)ナトリウムと塩素が反応すると塩化ナトリウムになる反応
酸化剤としてはたらく物質
①【過マンガン酸カリウムKMnO4】
KMnO4は硫酸酸性の水溶液(水素イオンがたくさんある水溶液)でMnO4–からMn2+に変化する!
相手の物質から、8H+と電子e–5つを奪って、Mn2+と4H2Oとなる!
1番有名な酸化剤?
KMnO4(MnO4–)はどんな相手のときでも酸化剤となる!
②【過酸化水素H2O2】
基本的にはH2O2は酸化剤として働くが、KMnO4(MnO4–)に対しては、還元剤として働く!
酸化剤
相手の物質から、2H+と電子e–2つを奪って、2H2Oになる!
還元剤
電子e–2つを相手に与えることによって2H+とO2になる!
還元剤としてはたらく物質
①【硫化水素H2S】
相手に電子e–を2つ与えることによって、Sと2H+になる!
1番有名な還元剤?
H2Sはどんな相手にはどんな相手のときでも還元剤となる!
②【二酸化硫黄SO2】
基本的にはSO2は還元剤として働くが、H2Sに対しては、酸化剤として働く!
還元剤
相手に電子e–を2つあげることによって、SO42−と4H+になる!
酸化剤
相手から、電子e–4つと4H+を奪い取り、Sと2H2Oとなる!
おわりに
酸化剤と還元剤の基本的な理解は、化学反応のメカニズムを深く知るための基礎です。このブログを通じて、これらの重要な概念を少しでもわかりやすく伝えることができたなら幸いです。化学の世界は奥深く、まだまだ多くの興味深いテーマがあります。これからも、さまざまな化学のトピックについて学んでいきましょう。
次回は酸化還元反応の化学反応式について解説します!今回やった、酸化剤と還元剤をしっかりと覚える必要があるので頑張って覚えていきましょう!
問題なども、随時作っていきますのでお楽しみください!この記事を見ながら、たくさんの問題に取り組みましょう!以下におすすめの教材を貼っておきます!
これからも文系の方にもわかるように、化学基礎・化学を解説していきますのでチェックお願いします!
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