はじめに
こんにちは、皆さん!今回は、私たちの日常生活に欠かせない「鉛蓄電池」についてお話しします。車のバッテリーとしてよく使われているこの電池、実はかなりの歴史があるんですよ。どういった仕組みで動いているのか、一緒に見ていきましょう!
鉛蓄電池とは
鉛蓄電池は、充電と放電が可能な二次電池の一種です。19世紀後半に発明され、その後多くの改良が加えられました。現在では、自動車のバッテリーとして広く使用されています。
鉛蓄電池の歴史
鉛蓄電池は1859年にフランスの物理学者ガストン・プランテによって発明されました。プランテの電池は、鉛の板を硫酸の溶液に浸すというシンプルなものでしたが、その後、様々な改良が加えられ、現在の形に近づいていきました。
鉛蓄電池の仕組み
鉛蓄電池は、鉛(Pb)と酸化鉛(PbO2)の2種類の電極と硫酸(H2SO4)を電解液として使用します!
鉛蓄電池の放電のイラスト
- 全ての原子はイオンになりたいと思っている!(安定になりたい)
イオンについて復習はこちらをクリック! - PbはPb2+とPb4+になることができる!
しかし、PbはみんなPb2+にないたいと思っている! - 正極PbO2のPbの酸化数は+4のため、Pb4+のイオンだとわかる!
酸化数の復習はこちらから!
そのため、負極から電子を2つ受け取り、Pb4+→Pb2+になる!
溶液中に放出された、Pb2+はSO42-と反応し正極にPbSO4という形で析出する! - 負極は正極に電子を2つ放出したため、Pb→Pb2+になる!
溶液中に放出された、Pb2+はSO42-と反応し負極にPbSO4という形で析出する!
正極、負極ともに硫酸鉛PbSO4が析出する!
化学反応式を書いてみよう!
【放電の反応】
正極の反応
負極
全体の反応式
※正極と負極の反応を足し算すると、全体の反応式になる!
※左辺の2つの硫酸は水素イオン4つと硫酸イオン2つでできたものである!
※全体の反応式は、溶液で起こった反応だと思っておこう!
充電はどのような反応式になるの?
負極の方から電子を流すと、放電の時の逆向きの反応が起こる!
①正極、負極についてしまった、硫酸鉛が乖離していき放電ができるようになる!!!
②①のことを放電という!
そのため、充電の化学反応式は放電の逆反応である!
鉛蓄電池の利点と欠点
利点
①高いエネルギー密度:同じ体積の電池と比較して、エネルギーを多く蓄えることができます。
②低コスト:材料が比較的安価で、製造コストも低いです。
③安定した性能:過酷な条件でも安定して動作します。
欠点
①重量が重い:鉛を使用しているため、電池自体が重くなります。
②メンテナンスが必要:定期的に水の補充や点検が必要です。
③有害物質のリスク:鉛は有害で、環境や健康に悪影響を及ぼす可能性があります。
豆知識と逸話
世界初の充電式電池
→鉛蓄電池は世界で初めての充電可能な電池でした。それまでの電池は使い捨ての一次電池が主流でした。
エジソンとの競争
→鉛蓄電池の普及には、トーマス・エジソンとの競争も影響を与えました。エジソンは自らのアルカリ電池を推進しましたが、鉛蓄電池の信頼性とコストパフォーマンスが勝り、広く普及しました。
環境への影響
→鉛蓄電池はリサイクルが可能ですが、適切に処理されないと環境汚染の原因となります。現在では、使用済み電池のリサイクルが進められています。
おわりに
鉛蓄電池は、その信頼性とコストパフォーマンスから広く使われ続けていますが、環境への配慮が必要なことも忘れてはいけません。もっと進化したリチウムイオン電池についても解説していますのでご覧ください!
リチウムイオン電池についてはこちら!
これからも、文系の方にもわかるように化学基礎を解説しますのでチェックお願いします!
エックス(旧ツイッター)も始めたのでフォローお願いします!
コメント