はじめに
私たちの日常生活には、さまざまな結晶が関わっています。氷やダイヤモンドなど、その美しさや特性に惹かれることも多いでしょう。今回は、そんな結晶の中でも「分子結晶」と「共有結合の結晶」について、文系の方にもわかりやすくご紹介します。
結晶って何?
結晶とは、原子や分子が規則正しく並んで固体を作ったものです。例としては、雪の結晶や塩の結晶があります。
分子結晶とは?
分子結晶とは、分子同士が弱い力(ファンデルワールス力)で集まってできた結晶
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【分子結晶の特徴】
- 低い融点:分子間力が弱いので、比較的低い温度で溶けます。例としては、ヨウ素やドライアイス(二酸化炭素)があります。これらは、固体→気体になる昇華性を持つ
- 柔らかい:分子間力が弱いため、壊れやすく柔らかいです。
- 電気を通さない:分子間には自由に動く電子がないので、電気を通しません。
⭐︎分子結晶の利用
①ドライアイス→昇華性を利用し、ケーキやアイスなどの保冷剤に利用されている。
②ナフタレンC10H8→衣類用の防虫剤に使われている。
共有結合の結晶とは?
共有結合の結晶は、原子同士が強い結合(共有結合)で結びついてできた結晶。この共有結合の結晶には、いくつかの特徴がある!
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【共有結合の結晶の特徴】
- 高い融点:共有結合が非常に強いため、非常に高い温度でしか溶けません。例としては、ダイヤモンドやシリコンの結晶があります。
- 硬い:共有結合が強いため、非常に硬く壊れにくいです。ダイヤモンドはその硬さで有名です。
- 電気の導電性:種類によって異なります。ダイヤモンドは電気を通しませんが、グラファイト(同じ炭素からできた結晶)は電気を通します。
例1)ダイヤモンド C
【構造】
各C原子の価電子は4個であり、それを全て使ってCーC単結合をつくり、正四面体を基本とする立体構造になっている
【性質】
・非常に硬く、電気を通さない。
・熱伝導性が非常に高い物質である。
例2)黒鉛(グラファイト)C
【構造】
・各C原子の価電子3個使ってCーC単結合をつくり、正六角形を基本とする平面構造になっている。
・平面構造同士が弱い結合である分子間力によって何層にも重なっている。
・残りの1個の価電子は平面全体に共有され、平面内を自由に動くことができる。このような電子を自由電子と呼ぶ。
【性質】
・平面同士が剥がれやすい(平面間はファンデルワールス力で結合しているから。)
・電気を通す(残り1個の電子が自由に動きm割っているから。)
⭐︎共有結合の結晶の利用
①ダイヤモンド→宝石
②黒鉛→鉛筆
③ケイ素Si→半導体(自然界には存在しない)
④二酸化ケイ素SiO2→自然界には主に石英として存在し、水晶、ガラスの原料。
分子結晶と共有結合の結晶の違い(まとめ)
特徴 | 分子結晶 | 共有結合の結晶 |
---|---|---|
結合の強さ | 弱い(分子間力) | 強い(共有結合) |
融点 | 低い | 高い |
硬さ | 柔らかい | 硬い |
電気の導電性 | 通さない | 種類による |
形 | 決まった形を持つ →分子式で表す | 決まった形を持たない →組成式で表す |
さいごに
分子結晶と共有結合の結晶は、構成する分子や原子の結びつき方が異なるため、それぞれ異なる物理的特性を持ちます。この違いを理解することで、日常生活や科学の理解が深まります。分子結晶は日常で見かけることが多く、共有結合の結晶は産業や技術の重要な材料として使われています。これらの結晶の世界を知ることで、物質の持つ多様な性質を楽しむことができます。これからも、カンタンに文系でもわかるように化学基礎を発信していきます!エックスも始めたので、フォローお願いします!
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