はじめに
「電気陰性度」という化学の基本的な概念について解説します。化学というと難しそうに感じるかもしれませんが、電気陰性度を理解することで、物質がどのように結びつき、どのように振る舞うのかが見えてきます。日常生活にも関連する内容なので、楽しみながらしっかりと理解していきましょう!文系の方にも理解しやすい内容になっているので気軽にご覧ください!
電気陰性度とは?
共有結合している原子間における、原子が共有電子対(e–)を引き付ける強さのこと
【電気陰性度の大小】
・右上が最大!左下が最小!
・貴ガスは0(共有結合しない!)
※水素は例外→水素は電子が1つしかないため、電子を出したがらない(電子がないと不安定だから)そのため、電子が奪われないように電気陰性度が高い!
【電気陰性度特に強いもの】
①F フッ素
②O 酸素
③N 窒素
F>O>N(フォン)で覚えよう!
※Cl>C>Hも覚えておこう
【周期表での電気陰性度の大小】
電気陰性度 右上が最大な理由
NaとClを比べる(同周期で比較)
- Na(2−8−1)、Cl(2−8−7)両原子とも最外殻電子はM殻で同じ。
- 最外殻電子が同じの場合、陽子数(原子番号)が多い方が電気陰性度が強い!
- 陽子数が多い方が、共有結合した際の共有電子対(e–)を強く引きつける!
- Clの方が陽子数(原子番号)が多いので電気陰性度が強い!
- 周期表の右側に行く=電気陰性度 大
FとClを比べる(同族で比較
- F(2−7)、Cl(2−8−7)Fの方が最外殻電子が内側に位置している
- 原子半径を考えると、Fの方が小さい ※原子半径の復習は←ここをクリック
- 原子半径(原子)が小さいと、共有結合した際の共有電子対(e–)を強く引きつける!
→原子半径が小さいと、共有電子対と陽子の距離が近くなるため強く引きつける! - Fの方が原子半径が小さいので、電気陰性度が強い!
- 周期表の下に行く=電気陰性度 大
問題!
どちらが電気陰性度が大きいか?
(1)フッ素、カリウム (2)酸素、ナトリウム (3)水素、ヘリウム
問題の答え
答えはここをクリック!
⑴フッ素 ⑵酸素 ⑶水素
日常生活への影響
電気陰性度は、私たちの日常生活にも影響を与えています。例えば、料理で使う塩(NaCl)は、電気陰性度の差が大きいナトリウムと塩素の結合です。また、電気陰性度の違いにより、水が極性分子となり、多くの物質を溶かす「溶媒」としての性質を持つため、生命活動に不可欠な役割を果たしています。
まとめ
電気陰性度は、原子がどれだけ強く電子を引き寄せるかを示す指標であり、化学反応や物質の性質を理解するために非常に重要な概念です。原子の電気陰性度の違いが、化学結合の種類や分子の性質に影響を与え、私たちの身の回りの化学現象に大きな役割を果たしています。この機会に、ぜひ電気陰性度についてもっと知ってみてください。
いかがでしたか?電気陰性度という一見難しそうな概念も、実際には私たちの生活に深く関わっていることが分かりますね。これを機に、身の回りの化学現象に少しでも興味を持ってもらえたら嬉しいです。
これからも、わかりやすくカンタンに化学を届けていきますので引き続きお願いします!
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