はじめに
酸と塩基は、最初にスウェーデンの科学者アレニウスによって定義されました。アレニウスは、酸を水に溶けて水素イオン(H⁺)を放出する物質、塩基を水酸化物イオン(OH⁻)を放出する物質としました。この定義は水溶液中での反応に限定されます。
その後、デンマークのブレンステッドとイギリスのローリーがこの定義を改訂しました。彼らは、酸を水素イオン(H⁺)を与える物質、塩基を水素イオンを受け取る物質と定義しました。これにより、水以外の溶媒や気体中の反応も説明できるようになりました。
今回はアレニウスの定義を文系の方にも簡単に解説していきたいと思います!
アレニウスの定義
アレニウスの定義
・酸とは水溶液中で水素イオンH+を生じる物質
・塩基とは水溶液中で水酸化物イオンOH−を生じる物質
酸と水素イオン
例)塩化水素の電離
電離の復習←こちらをクリック!
①塩化水素を水溶液に溶かしたたときを考える!
②電離を化学反応式(イオン反応式)で表すと…
このように、水に溶けて電離し水素イオンH+を生じるものを、アレニウスの定義では酸という!
塩酸以外の酸
- 酢酸の電離
CH3COOH ⇄ H+ + CH3COOー
※⇄この矢印は可逆反応を示す!→左から右の反応と右から左の反応が起こるということ!
(逆反応も可能ということ!) - 硫酸の電離
H2SO4 → 2H+ + SO42ー
※1硫酸は水素イオンを2つ持っているため、電離すると2つの水素イオンが生じる!
※2厳密にいうと、この反応は2段階で電離する。
塩基と水酸化物イオン
例)水酸化ナトリウムの電離
電離を化学反応式(イオン反応式)で表すと…
このように、水に溶けて電離し水酸化物イオンOH−を生じるものを、アレニウスの定義では塩基という!
水酸化ナトリウム以外の塩基
- アンモニア
NH3 + H2O ⇄ NH4+ + OH−
※1アンモニアは水の水素イオンと配位結合をし、アンモニウムイオンになる!
※2水はアンモニアに水素イオンを取られたため、OH−を生じる!
配位結合の復習←こちらをクリック! - 水酸化カルシウムの電離
Ca(OH)2 → Ca2+ + 2OH−
※硫酸と同じく水酸化カルシウムは水酸化物イオンを2つ持っているため、電離すると2つの水酸化物イオンが生じる!
おわりに
アレニウスの定義について理解できましたでしょうか?酸は水素イオンを生じるものであり、塩基は水酸化物イオンを生じるものです。このアレニウスの定義を基に、現在広く使われているブレンステッド・ローリーの定義が発展しました。時代背景を踏まえながら化学を学ぶことは、とても興味深いですよね!次に、ブレンステッド・ローリーの定義について詳しく解説しますので、ぜひご覧ください!
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