はじめに
高校の化学基礎で学ぶイオン化傾向と金属の反応性は、日常生活や自然界で起こるさまざまな現象を理解する上で重要な概念です。文系の読者にもわかりやすく、身近な例を交えて説明していきましょう!
イオン化傾向とは?(復習)
イオン化傾向とは、金属が電子を失って陽イオンになりやすい順序を示したものです。言い換えれば、金属がどれだけ「錆びやすいか」「反応しやすいか」を示す指標です。イオン化傾向は、金属が化学反応においてどのように振る舞うかを予測するために使われます。
イオン化傾向の例
イオン化傾向の高い金属として有名なのは、リチウム(Li)、ナトリウム(Na)、カリウム(K)などのアルカリ金属です。これらの金属は空気中の酸素や水とすぐに反応しやすいため、保管には特別な注意が必要です。
逆に、イオン化傾向の低い金属には、金(Au)や白金(Pt)があります。これらの金属は錆びにくく、化学的に安定しているため、宝飾品や電子機器に利用されています。
金属と空気,金属と水,金属と強酸との反応
金属はその性質によって、空気や水、そして強酸とどのように反応するかが異なります。これを理解することで、金属のイオン化傾向と反応性についての知識が深まります。
金属と空気の反応
イオン化傾向が中間(Mg,Al,Zn,Fe,Ni,Sn,Pb)のものはどうなるの?
金属の表面に酸化物の膜を形成する!
金属と水の反応
水との反応の中でも、①常温の水、②沸騰した水、③高温の水蒸気と水の状態によって、金属が反応するかどうかが変わる。金属と水が反応すると、水素が発生する!
①常温の水
イオン化傾向が大きい金属(Li, K, Ca, Na)は、反応性が高いため常温の水と反応して、水酸化物と水素を発生する!
例)ナトリウムと水の反応
②沸騰した水
Mgは常温の水とは反応しないが、沸騰した水とは反応する!
③高温の水蒸気
Al,Zn,Feは高温の水蒸気と反応する!
例)鉄と高温の水蒸気との反応
金属と酸の反応
金属と強酸(酸化力が強くない)
水素よりイオン化傾向の大きい金属(Li 〜 Pb)は、希塩酸、希硫酸と反応して水素を発生する!
例)Pb鉛と希塩酸との反応
例)Pb鉛と希硫酸との反応
金属と酸化力の強い強酸
例)銅と希硝酸との反応
例)銅と濃硝酸との反応
銅と希硝酸、銅と濃硝酸の反応の覚え方!
①銅と希硝酸
勝算薄ければ(希硝酸)惨敗(3,8)→3Cu + 8HNO3
②銅と濃硝酸
勝算濃ければ(濃硝酸)1度に4勝(1,4)→ 1Cu + 4HNO3
例)銅と熱濃硫酸との反応
イオン化傾向が極めて小さい金属(Pt,Au)
イオン化傾向が極めて小さい金属(Pt,Au)は王水としか反応しない!
王水とは、濃硝酸と塩酸を体積比で1:3の割合で混合したもの!
→ほとんどなんでも溶かすことができる溶液!
不動態
Al,Fe,Niなどは希塩酸,希硫酸,希硝酸とは反応して溶けるが、濃硝酸には表面に緻密な酸化被膜を作りそれ以上反応しなくなる!このような状態のことを不動態という!
不動態の覚え方!
①手(Fe)に(Ni)ある(Al)不動態!
②黒(Cr)子(Co)に(Ni)会(Al)って(Fe)!
※Crクロム、Coコバルトも不動態を形成するが、頻出なのは、①の方!
余裕があれば両方覚えよう!
不動態のイメージ!
・不動態→鎧が着せられるイメージ!
・酸化被膜という鎧を纏うことで、これ以上反応できないという状態!
例)アルミニウム
①イメージ図
②化学反応式
2Al + 6HNO₃(濃) → Al₂O₃(酸化被膜) + 6NO₂ + 3H₂O
まとめ
イオン化列は覚えるのはもちろん、金属がどの物質とは反応するのか、反応しないのかまでしっかりと覚えましょう!
学校で配られている化学図録などを活用し、どのような反応をしているのかもみてみるといいでしょう!
たくさんの問題に触れることが大事です!おすすめの参考書も下にリンクを貼っておきますのでご確認ください!
これからも、文系の方にもわかるように化学基礎を解説しますのでチェックお願いします!
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