はじめに
私たちの身の回りにある物質には、極性を持つものと持たないものがあります。これらは「極性分子」と「無極性分子」と呼ばれ、それぞれの性質が私たちの日常生活にどのように影響しているのかを知ることで、化学が身近に感じられるでしょう。この記事では、文系の方にもわかりやすく極性分子と無極性分子について解説します。
極性分子
極性分子:分子全体で見ると極性が生じている分子
・水 H2O
- OとHでは、電気陰性度がOの方が強い!※電気陰性度強いものフォン(F>O>N)
- Oがδ−、Hがδ+
- 同じ符号(今回はδ+)のものが2つ以上ある場合、その中心がその電荷の位置になる!
- δ+とδ−が重ならないと、極性分子になる!
・アンモニア NH3
- NとHでは、電気陰性度がNの方が強い!
- Nがδ−、Hがδ+
- 同じ符号(今回はδ+)のものが2つ以上ある場合、その中心がその電荷の位置になる!
- Hの電荷の中心は、窒素のちょうど下(Hを頂点にしたときの三角形の中心!)
- δ+とδ−が重ならないと、極性分子になる!
無極性分子
・同じ分子の場合(水素、フッ素、酸素など)
・電気陰性度に差はないので、電荷を帯びない
・二酸化炭素
- CとOでは、電気陰性度がOの方が強い!
- Oがδ−、Cがδ+
- Oの電荷の中心は、Cδ+(Oの2点間の真ん中)と同じところになる!
- 電荷が打ち消されるため、無極性分子になる!
・メタン
- CとHでは、電気陰性度がCの方が強い!
- Cがδ−、Hがδ+
- Hの電荷の中心はCδ+(正四面体の真ん中はCの位置)と同じところになる!
- 電荷が打ち消されるため、無極性分子になる!
水と油が混じらない理由(極性の概念で説明!)
油:炭化水素(CとHでできたもの)メタンなどであり、これらは無極性分子
水:極性分子
・極性分子は極性分子に溶ける!
・無極性分子は無極性分子に溶ける
・極性分子と無極性分子は溶けない!→水と油が交わらない理由!
極性分子と無極性分子の日常生活への影響
洗剤の働き
洗剤は極性と無極性の両方の性質を持つ分子です。一方は油(無極性)に、もう一方は水(極性)にくっつきます。これにより、油汚れを水に溶かし込むことができ、汚れを効果的に落とすことができます。
静電気の発生
極性分子は静電気の発生に影響します。例えば、衣類が乾燥した日に静電気でまとわりつくのは、衣類が摩擦で電荷を帯びるためです。極性を持つ素材は電荷を帯びやすく、静電気が発生しやすくなります。
まとめ
・極性分子
①水 ②アンモニア ③塩化水素 ④エタノール(お酒)
・無極性分子
①水素、フッ素、酸素(同じ分子の2原子分子)
・無極性分子(極性はあるが打ち消されるもの)
①二酸化炭素 ② メタン ③エチレン ④ベンゼン
おわりに
極性は、分子や物質の基本的な性質であり、私たちの日常生活にも大きな影響を与えています。水や洗剤の働き、液体の混ざりやすさ、静電気など、極性の概念を理解することで、身の回りの現象がより理解しやすくなります。物理や化学の専門知識がなくても、極性の基本を知っていると生活の中で役立つことがたくさんあります。これからも、カンタンに化学基礎、化学を解説していきます!
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