はじめに:科学で「石化」を解除できるのか?
アニメ『ドクターストーン』で最初に登場する衝撃的なアイテム、それが「復活液」です。
“硝酸(HNO₃)+アルコール(CH₃CH₂OH)”
これを石化した人間にかけると、3700年の石化から人間が目覚めるというストーリー。
現実にそんなことができるのか?その答えは――
- 成分的には存在する。
- 反応は実際に起こる。
- ただし、石化解除はフィクション。
ということで、今回はこの復活液の化学的な正体を、文系の方でも理解できるようにわかりやすく解説していきます!
硝酸ってどんな物質?どうやってできるの?
■ 基本情報:硝酸(HNO₃)
硝酸は、
- 無色・強酸性・強い酸化作用
- 火薬や肥料、金属処理に使われる
- 化学式:HNO₃
■ 硝酸はどこからくる?~洞窟の秘密~
作中で千空が見つけたのは「コウモリがたくさんいる洞窟の水」。この水には硝酸カルシウム(Ca(NO₃)₂)が溶け込んでおり、硝酸の成分源となっていました。
▶ コウモリのおしっこから始まる自然の化学反応
- コウモリの糞尿に含まれる尿素や尿酸が分解されると、アンモニア(NH₃)が生まれます。
- アンモニアは硝化菌(ニトロソモナスなど)によって
- NH₃ → NO₂⁻(亜硝酸) → NO₃⁻(硝酸イオン)
- 洞窟内の石灰岩(CaCO₃)と反応して
- Ca²⁺ + 2NO₃⁻ → Ca(NO₃)₂(硝酸カルシウム)
このようにして、洞窟の水には天然の硝酸塩が含まれていたのです!

アルコールの正体:発酵の魔法
■ アルコールとは?
日常でもおなじみの「お酒」に含まれるのがエタノール(CH₃CH₂OH)。
- 無色透明
- 揮発性があり、燃えやすい
- 発酵によって作られる
■ エタノールの化学式

(構造式では:CH₃−CH₂−OH)
■ 発酵で作られる仕組み

(グルコース → エタノール+二酸化炭素)
千空たちはブドウや米を使って発酵させ、自然の力でアルコールを得たのです!
硝酸+アルコールで何が起きる?
■ 混ぜるだけで反応する?
実は、硝酸とアルコールを混ぜると、条件によって危険な反応が起きることがあります。
特に注意が必要なのが、次の反応:
▶ ニトロ化反応(爆発注意!)
(エタノール+硝酸 → ニトロエタノール+水)
この「ニトロエタノール」は爆発性を持つ危険物質。そのため、濃硝酸を使った混合には注意が必要です。

復活液とナイタール液の関係
■ ナイタール液(Nital)とは?
- 硝酸とエタノールを混ぜた混合液
- 金属組織の観察に使う腐食液(エッチング液)
▶ 一般的な濃度
- 濃硝酸:1〜10%
- エタノール:90〜99%
▶ 使用例
- 鉄鋼などの表面に細かい構造を浮かび上がらせる
- 工業分析などで使われる
▶ 化学反応
ナイタール液は通常反応を起こさず、「金属に接触させることで腐食が起こる」仕組みです。
✅ つまり、ナイタール液こそが復活液の“科学モデル”なのです!
結論:復活液は「ありえるが、効かない」!?
項目 | 実在性 | 解説 |
---|---|---|
硝酸 | 〇 | 自然界や工業的に得られる強酸 |
アルコール | 〇 | 発酵で得られる有機溶媒 |
混合液(ナイタール) | 〇 | 材料工学分野で使用 |
石化解除 | × | フィクション(人は石化しない) |
科学は魔法じゃない、でも魔法みたいだ!
『ドクターストーン』が教えてくれること、それは――
✨ 科学を積み重ねれば、人類はゼロから文明を取り戻せる
フィクションの中にもリアルな科学がちりばめられています。理系・文系関係なく、「なぜ?」「どうして?」と疑問を持ち、調べることで誰でも科学の世界に触れられるんです。
おわりに:科学の目で世界を見てみよう
復活液は、実在の成分から構成されているけれども、その効果は物語の世界のもの。
でも、それでいいんです。
📚 「面白い!」と思ったその気持ちが、科学への第一歩!
これからも『ドクターストーン』と一緒に、科学の世界を旅してみませんか?
(※実際の薬品使用や実験は専門知識のもと、安全に行いましょう)
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