冬が近づくと、手先・足先が冷えやすくなり、路面は濡れたり凍ったりと滑りやすく、厚着で動きにくくなる…。こんな条件が重なる12月は、実は「1年で最も転倒事故が増える時期」です。
東京消防庁によると、転倒による救急搬送者数は毎月約7,000人前後なのに対し、12月は約1万人に急増。
さらに、昨年1年間で「転倒・転落」で亡くなった方は 11,912人。これは交通事故死者の3倍以上という深刻な数字です。
本記事では、
- なぜ12月に転倒が増えるのか?
- 寒さが身体に及ぼす影響とは?
- 今日からできる転倒予防のストレッチ
- 年齢別で気をつけたいポイント
- 生活の質を高めるおすすめ商品(高価格帯も)
これらを、読者がすぐ実践できるように分かりやすく解説します。
■ なぜ12月に転倒が急増するのか?
結論から言うと、冬は転倒リスクが「複合的に」高まります。特に重要なのは以下の3点。
① 寒さで血管が収縮 → 手足の動きが鈍くなる
体温を守るため、人間の身体は寒いと手足の血管を収縮させます。
これにより、
- 血流が減って筋肉が硬くなる
- 関節の可動域が狭くなる
- 足が上がりにくい
- 反応速度が遅くなる
という状態になります。
これは医学的にも説明されており、寒さによる身体の変化は特に 朝の外出時・帰宅時の夜 に強く現れます。
② 厚着で身体が動きにくい
冬はコートや防寒具で肩や股関節が動きにくくなります。
特にロングコートやタイトなブーツは、歩幅を狭くしたり、つま先の自由を奪うため転倒リスクが上昇します。
③ 路面環境が危険(濡れ・凍結・暗い)
- 夜間が長く暗い場所で段差が見えない
- 雨・霜・雪で路面が滑りやすい
- 室内でも濡れた床やコードが原因で転倒が増える
特に高齢者は家の中での転倒が多いという統計があります。
■ 年代別に見た「冬の転倒リスク」
● 20〜40代
- ブーツによる歩きにくさ
- 荷物が多く視界が遮られる
- 子どもの送迎で急いで歩く
- スマホ歩きの増加
若くても油断しがちで転ぶ人が多い時期です。
● 50〜60代
- 夜間の視界の悪さ
- コード・段差などのつまづき
- 冬の運動不足による筋力低下
特に50代以降は「運動不足+寒さ」で身体の動きが鈍くなり始めます。
● 70代〜
- 足が上がりにくくなる
- バランス感覚が低下
- 骨が弱く骨折のリスクが高い
高齢者の転倒は、その後の生活に大きな影響を及ぼすため予防が最重要になります。
■ 今日からできる!“転倒予防ストレッチ”完全ガイド【誰でも簡単】
医師も推奨するストレッチを、誰でもできる形にまとめました。
【1】朝にやるべき「血流アップルーティン」(1分)
● 足踏み運動(30秒)
- ゆっくり太ももを上げる
- 腕もふり、リズム良く
- 呼吸は自然に
→ 股関節が温まり、足が上がりやすくなる!
● かかと上げ(20回)
- 両足のかかとをゆっくり上げる
- ふくらはぎが温まるまで行う
→ バランス能力UP、歩行安定感UP!
【2】外出前に絶対やるべきストレッチ
● 太ももの前側ストレッチ(20秒 × 各足)
足を後ろに曲げ、片手で足首を掴む姿勢。
→ すり足防止・歩幅が広がる
● 裏もも(ハムストリング)ストレッチ
椅子に浅く座り、片足を伸ばして前屈。
→ つまずき予防に最適
【3】夜のリラックスストレッチ
● ふくらはぎ伸ばし(壁押しストレッチ)
- 壁に手をついて後ろ足のふくらはぎを伸ばす
- 一番硬くなる部分を中心に伸ばす
→ 翌日の動きがスムーズに
■ 冬の転倒を防ぐ生活習慣【今日から改善できる】
● 室内の転倒予防
- 固くなった延長コードを床に放置しない
- スリッパを滑り止め付きに変える
- トイレ・浴室のマットを滑り止め仕様に
- 階段は必ず手すりを持つ
● 服装・靴の選び方
- 厚底すぎる靴は避ける
- つま先が柔らかく曲がる靴を選ぶ
- 裏面の凹凸がしっかりした靴底のもの
- ブーツなら足首が固定されすぎないもの
● 体温を上げて筋肉を柔らかく
- 冬の外出前は温かい飲み物が有効
- 足首・手首を温めると全身が温まりやすい
■ 冬の転倒予防に「本当に役立つグッズ」おすすめ6選
(※価格帯は目安/高価格帯商品の紹介あり)
以下は、転倒予防に実際に役立つ“カテゴリごとのおすすめ商品”です。
特定メーカー名を出さず、どんな商品を買えばよいかが分かるようにしています。
① 高機能インソール
歩行の安定感が劇的に変わるため、全世代に推奨。
おすすめポイント
- 土踏まずを支えて姿勢が整う
- ふらつきや疲れにくさが改善
- ブーツでも入れられる薄型も多い
高価格帯のプロ用インソールは、バランス補正機能が優秀で、特に50代以降に人気。
② 滑り止め性能の高い冬用シューズ
凍結や濡れた路面が多い地域は必須。
選ぶポイント
- ガラス繊維配合ソール
- マイナス気温でも硬くならない素材
- つま先が柔らかく曲がるもの
3万円台の高級モデルは、滑り止め性能+防水+保温が優秀で、冬場の通勤でも事故リスクを大幅に減らします。
③ 電熱ベスト
身体を温める=転倒予防に直結。
- スイッチ1つで身体の中心部が温かくなる
- 筋肉が固くなるのを防ぐ
- 分厚いコートが不要で動きやすくなる
高価格帯モデルは、バッテリー長持ち+軽量で特に評価が高い。
④ バランス向上トレーニングマット
家でできる転倒予防トレーニングに最適。
- 片足立ち
- ステップ運動
- スクワット補助
を安全にできる。
⑤ 家庭用マッサージガン
筋肉の硬さを短時間で和らげる便利アイテム。
効果
- 冷えによる筋肉のこわばり改善
- ストレッチ効果UP
- 朝の動き出しが軽くなる
高価格帯モデルは振動の質が非常に滑らかで、使用感の差が大きい。
⑥ 室内用滑り止めスリッパ
特に高齢者宅では必須級。
ポイント
- 床材に合った滑り止め構造
- つま先が上がる設計
- つまずき防止形状
■ 冬の「危険な時間帯」はこの2つ
▶ ① 朝(起床〜外出直後)
筋肉が硬い × 路面が冷えて滑りやすい → 最も危険。
▶ ② 夜(17〜22時)
暗くて段差が見えない × 仕事や家事で疲労 → 事故率が高い。
■ まとめ:12月は「交通事故の3倍」死者が出る“転倒の季節”
最後に大切なポイントを整理します。
■ 今日から絶対意識したいポイント
- 12月は転倒の救急搬送が1万人近くに急増
- 転倒死は交通事故死の3倍以上
- 寒さで血流が悪化 → 筋肉が硬く、足が上がりにくい
- ストレッチと温める習慣が最大の予防
- 靴・インソール・電熱ベストなどのアイテムでリスクは激減
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