純物質への探求:分離と精製の手法

化学基礎

はじめに

化学の世界には、さまざまな素材や物質を純粋な状態にする方法があります。ここでは、その中でも代表的な手法である分離と精製について説明した後、ろ過、蒸留、再結晶、昇華法、抽出、クロマトグラフィーといった手法について、文系の方でも理解しやすく解説します。

分離と精製

  • 分離・・・混ざっている物質をそれぞれの成分に分けること。
  • 精製・・・分離後、目的の成分の精度を高めること。

POINT1
分離は大雑把に分ける、精製はその純度を高めるイメージ!

分離・精製の手法

ろ過

固体と液体を分離する。液体を通し、固体を取り除くことで、純粋な液体を得ることができる。

例)コーヒーを淹れる際に使うフィルターや、水道水の浄化プロセスで使われる。

実際の実験の様子

POINT1
ガラス棒に伝わらせて注ぐ!

POINT2
ろうとの先はビーカーの壁面につける!

POINTの理由

  1. 液体が跳ねないようにするため。(危険な薬品をとり使う場合などもあるため。)
  2. 液体が跳ねないようにするため。また、壁を伝うためにろ過の効率が上がるため。(危険な薬品をとり使う場合などもあるため。)

蒸留

液体を加熱して気体にし、それを冷やして再び液体に戻すことで、成分を分離する。

例)水の浄化、ワインの蒸留など。        

実際の実験の様子

POINT1
温度計の先は、枝付きフラスコの枝付近にする!

POINT2
沸騰石を入れる!

POINT3
水は下→上に流す!

POINT4
密閉しない!

POINTの理由

  1. 気体の温度が知りたいため、枝付近にする。(液体の中に入れては❌)
  2. 急な沸騰(突沸)を防ぐため。
  3. リービッヒ冷却器を冷やすために、水を満たしたい!上から下に水を流すと、すぐ流れるため冷えないから!
  4. 密閉すると、三角フラスコ内が気体で満たされ破損する恐れがあるから。

ここも抑えよう!
  蒸留は沸点の違いを利用する分離法!

分留

分別蒸留の略。1つの混合物を蒸留によって、さまざまな成分に分ける方法。

例)原油からガソリンや灯油などの異なる成分を分離する際に使われる。

原油の分留の様子

再結晶

固体の成分を分離し、純粋な結晶を得る方法。溶液を加熱して溶かし、再び冷やし純度の高い結晶を析出させること。

例)食塩や砂糖、硝酸カリウムの精製に使われる。

ここも抑えよう!
 溶解度の差を利用している!高温のときはよく溶けるが、温度が低いと溶けにくい!

昇華法

昇華・・・ 固体→気体、気体→固体に変化するもの。
昇華性のある物質
①ドライアイス(二酸化炭素)②ヨウ素 ③ナフタレン

昇華法の実験の様子

POINT1
固体のヨウ素が気体になっている!

実験の流れの確認
①ヨウ素と砂を加熱(ヨウ素のみ気体に)
②冷水入りのフラスコで冷やされ、ヨウ素が
 固体に戻った!

 

抽出

混合物から目的の物質を溶媒に溶かし出す操作。

例)緑茶。→乾燥させた茶葉(混合物)から、香りの成分(目的の物質)を取り出している。

(ペーパー)クロマトグラフィー

試料をろ紙に置き、液体が上昇する速度の差を利用して分離する方法。

実際の実験の様子

ろ紙に水性ペンで点を書き、水やエタノールにひたすと、水性ペンに含まれる色の成分を分離することができる。

黒色の水性ペンは様々な色から、構成されている!

まとめ

  1. ろ過:固体を液体から取り除く方法。
  2. 蒸留:液体の混合物を沸点の違いを利用して分離する方法。
  3. 再結晶:溶液中の固体を高純度に結晶化する方法。
  4. 昇華法:固体を直接気体に変えて分離する方法。
  5. 抽出:溶媒を使って混合物から目的の成分を取り出す方法。
  6. クロマトグラフィー:成分の移動速度の差を利用して分離する方法

最後に

これらの手法は、化学や生物学などの科学分野だけでなく、食品や医薬品の製造などの産業にも広く応用されています。それぞれの手法は異なる状況や目的に適しており、正確な操作と理解が必要です。

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